高尿酸血症
■高尿酸血症とは
高尿酸血症は血液中の尿酸値が通常よりも高くなる状態で、7.0mg/dlを超える場合が該当します。
体内の尿酸が過剰になりそれが結晶化することで、足の親指の付け根の激痛などで知られる「痛風」を引き起こします。
高尿酸血症は男性に多く見られ、30~40歳男性の約30%は該当し、推定患者数は1000万人とも言われております。
高尿酸血症自体による症状は出ませんが、尿酸値の高い状態が継続されることで、先述の痛風や慢性腎臓病、尿路結石、狭心症、心筋梗塞といった病気に罹患するリスクが高まるといわれています。
■原因
<排泄不良とプリン体の過剰摂取>
腎臓からの尿酸の排泄が悪化し、十分に排泄しきれないことやビールやレバーといった乳酸のもととなるプリン体を多く含むものを過剰摂取することも大きな原因となります。
なお、女性の罹患率が男性と比較し低い要因は、女性ホルモンが排泄を促進させる働きがあるからと言われています。
■症状
<激しい痛みが特徴>
高尿酸血症自体に症状はありませんが、誘発されて引き起こされた痛風や尿路結石・腎臓結石は激しい痛みが生じます。
痛風であれば、足の親指や付け根などの関節に激しい痛みが発作的に発生します。
なお、痛風は「風に吹かれただけでも痛い」ことに由来するほど、激しい痛みが現れるようです。
また、尿路結石においても、排尿時に痛みを伴うことや血尿が出る場合もあります。
■予防
<アルコールを控えるといった生活習慣の改善を>
高尿酸血症の原因にはプリン体が挙げられるので、それが含まれるビールやレバー、卵、肉類の摂取量を控えることが最優先です。
また、定期的な運動も重要になりますが、過度な運動や無酸素運動は尿酸値が上昇するため、ゆったりとした有酸素運動が推奨されます。
■検査・治療
検査においては、尿酸値を測定する目的で血液検査が実施されます。
痛風を発症していると疑われる場合、関節穿刺(せんし)といって関節に注射、関節液を採取し、尿酸が結晶化しているかを確認することもあります。
治療においては、プリン体の摂取を控える・適度な運動を実践するといった生活習慣の改善が第一です。
それに加え、尿酸の産生を抑えたり、排出を促したりする目的でアロプリノールやベンズブロマロンといった治療薬を服用し、状態の改善を目指します。
■予後
病気を発症した場合は速やかに治療し、自身の生活習慣を見直すことが非常に大切です。
痛風患者さんの37%はメタボリックシンドロームともいわれております。
高尿酸血症の状態が続くと、激しい痛みを伴う病気を引き起こす可能性が高く、アメリカのデータでは痛風患者さんの約8割が2年以内に再発するという報告もあります。
普段からバランスの良い食事やアルコールを控え、適度な運動を心掛けることを意識しましょう。