狭心症

■狭心症とは 

 狭心症心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管が細くなることで、十分な酸素や栄養が送られなくなってしまう病気で、虚血性心疾患」に含まれる病気の一種です。

 

 症状や原因・経過などによって、「安定狭心症」「不安定狭心症」「労作性狭心症」「冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症」などの分類があります。

 

 虚血性心疾患は主に、この狭心症と心筋梗塞からなる総称です。 

 

 日本において疾患は、がん脳血管疾患と並び三大死因の一つに数えられます。 

 

 


■原因 

<動脈硬化が大きな原因> 

 狭心症の大きな要因として挙げられるのが動脈硬化です。

 

 動脈硬化は不適切な生活習慣により発生し、血管が固くなり弾力性が失われることで血流が悪くなった状態を指します。

 

 これによって、血栓が形成されやすくなり、血管が詰まりやすくなります。 

 

 この不適切な生活習慣というのは、喫煙や塩分の多い食事、運動不足などが挙げられ、結果的に高血圧や肥満、高脂血症や糖尿病といった病気につながってしまいます。 

 

 動脈硬化は心疾患以外にも、脳出血や脳梗塞といった脳血管疾患を引き起こすリスクも上昇させるため、要注意です。 

 

 なお、動脈硬化が進行し冠動脈と呼ばれる心臓の血管が完全に塞がると心筋梗塞と呼ばれる状態になります。 

 

 


■症状 

<胸の痛みや息苦しさが代表例> 

 大きな特徴は胸の痛みや息苦しさを感じるといった呼吸器に症状が現れる点です。

 

 例えば運動のように、多くの酸素が必要とされる場合に狭心症の症状は表面化する傾向があります。

 

 運動をすると心臓にも多くの酸素や栄養が必要になる一方で、その酸素や栄養を供給するための冠動脈が細くなっており、十分な酸素が心筋に届けられなくなっているためです。 

 

 狭心症の症状は安静にしていれば数分~15分ほどで収まるもので、狭心症そのものが原因で死亡することは原則ありませんが、症状が進行し、心筋梗塞の状態に陥ると、死亡リスクが急上昇します。 

 

 


■予防 

<動脈硬化を防ぐための生活習慣を> 

 罹患原因の大半を占める動脈を防ぐことが、心筋梗塞を予防するうえで重要になります。

 

 動脈硬化は高血圧や脂質異常症などといった病気と大きく関係しているため、野菜や果物を摂る、塩分・糖質を控える、暴飲暴食しないといった健康的な食事を心掛けることが大切です。 

 

 同様に、定期的な運動を実施すること、基礎代謝を維持し、太りにくい体づくりを心がけましょう。 

 

 また喫煙も狭心症を含む虚血性心疾患の3大リスクの一つに含まれており、禁煙が重要なことは言うまでもありません。 

 

 なお、症状が進行し心筋梗塞を発症すると生命の危機にかかわるため、気になる症状があれば早めに受診するだけでなく、健診の心電図異常を放置しないことも大切です。

 

 また、心臓に異常がないか気になる方は心臓ドックで確認する方法もあります 

 

 


■検査・治療 

 問診等で狭心症に見られる症状がある場合、まず心電図検査において、狭心症特有の変化がないかを確認することが多いです。

 

 一般的な「心電図検査」の他にも、階段昇降などの負荷運動を行ことで心筋虚血を誘発し、心電図に変化があるかを確認する「負荷心電図検査」などで、本当に狭心症であるかを判断します。 

 

 狭心症の可能性が高い場合は血管が詰まっていないかを確認する「冠動脈CT検査「冠動脈造影検査」も行われることがあります。 

 

 治療法は基本的に内服薬を用いた「薬物療法」です。

 

 狭心症の発作時にも使用されるニトロと呼ばれる「血管拡張薬」や心臓の負担を下げるための「β遮断薬」が用いられるほか、血液の凝固を防いで心筋梗塞を予防するために「抗血小板薬」などが用いられます。

 

 またそれらに追加して高血圧や脂質異常症など動脈硬化をきたす原因疾患がベースにあれば、それらに対する内服薬が処方されることもあります。 

 

 このように、複数の薬物を使用しても症状が改善しない場合などには「手術が行われます。

 

 「手術」といっても大きく「血管内治療」と「外科手術」の2種類に分類されます。

 

 「血管内治療」とは手首や足の付け根の血管から細いカテーテルと呼ばれる管を心臓にむけて入れて、血管の中からバルーンで狭くなった血管を広げたり、カッターで動脈硬化の部分を削り取ったりするものです。

 

 一方、全身麻酔で手術を行い、血流が悪くなった血管とは別の血管を作るバイパス手術を行うのが「外科手術」と呼ばれます。 

 

 


■予後 

 狭心症心筋梗塞あわせて虚血性心疾患と呼ばれますが、心筋梗塞が原因の死亡者数はおよそ37,000人(2017年)にも上り、その他の虚血性心疾患でも年間34,000人が亡くなっています。

 

 死亡率の高い心筋梗塞に症状が発展しないように、まずはリスクが高いといわれている生活習慣が自分には当てはまっていないか見直しましょう。

 

 また気になる方は心臓ドックを受診してみてはいかがでしょうか。