子宮頸がん

■子宮頸がんとは 

<20~30代女性の発症も多いがん> 

 子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)に発生する悪性腫瘍です。

 

 子宮がんは女性特有のがんで、子宮頸がんと子宮体がんに分類されますが、頸がんがおよそ7割を占めています。

 

 女性の部位別がん罹患者数は5位(2017年)と年間27,000人ほどが罹患しており3,000人が死亡しています。約80人に1人が子宮頸がんにかかる計算です。 

 

 子宮頸がんの発症のピークは25~44歳(特に30代後半)となっており、他のがんと比べても非常に若い世代で発症するという特徴があります。 

 

 


■原因 

<HPVと呼ばれるウイルスが最大要因> 

 子宮頸がんの原因のほとんどはHPV(ヒトパピローマウイルス)と呼ばれるウイルスに感染することがわかっています。

 

 このウイルス自体はごくありふれたもので、性交経験のある女性の過半数は生涯に一度は感染します。

 

 HPV自体は男性にも女性にも感染しますが、これが子宮頚部に感染すると90%の場合は免疫の作用で自然にウイルスが排除されますが、残り10%の場合は感染が持続し「異形成」と呼ばれる前がん病変に変化します。この異形成が数年以上の時間をかけ子宮頸がんへと進行していきます。

 

 ちなみに、このHPVは子宮頸がんだけでなく、膣がん、肛門がん、陰茎がん、咽頭喉頭がんを引き起こすと言われております。 

 

 そのほかには経口避妊薬(ピル)の長期服用者は罹患リスクが上昇するという報告もあります。具体的には5年間服用すると、そうでない場合と比較し罹患リスクが2倍に上昇するというデータがあります 

 

 


■症状 

<初期症状が出にくい> 

 子宮頸がんは初期症状が出にくく、進行すると性交時の出血や生理時以外に生じる不正出血、おりものの異変、下腹部痛、背中の痛みなどが生じることがあります。 

 

 また、がん細胞が周囲の膀胱や大腸に浸潤すると、血尿や血便といった症状がみられるようになります。 

  

 


■予防 

 子宮頸がんにおいては、罹患原因のほとんどがHPV感染によるものであるため、HPVの感染を防ぐことが重要になります。

 

 HPVに感染を防ぐ手段にHPVワクチンの接種が挙げられます。また、20~30代の頃から定期的な子宮頸がん検診を受診することも重要ですが、日本ではワクチン接種率が1%、健診受診率が40%と先進国の中でも非常に低いです。

 

 特にワクチン接種に関しては過去の「副反応問題」の報道の影響が大きいと思われますが、徐々に明らかになってきたこともあるので日本産科婦人科学会のHPなどで情報を収集してみて下さい。 

 

 


■検査・治療 

 子宮の入り口にある細胞を採取し、細胞に異常がないかを調べる細胞診が広く普及しています。

 

 子宮頸がんが疑われる場合、子宮の入り口を拡大観察するコルポスコピー検査などが行われます。

 

 子宮頸がんと診断された場合、がんの位置や大きさなどを詳しく調べるためにCT検査やMRI検査に代表される画像検査が実施されます。 

 

 治療は大きく3種類存在します。

 

 がんが他臓器などに転移していない場合や患者に手術を受けられる体力があれば「外科手術」という選択肢が取られ、妊娠を希望する場合は子宮の一部を摘出、希望しない場合は子宮全摘出を行うこともあります。 

 

 がんが遠隔転移している場合など、手術で取り切れない場合には「化学療法」が行われることになります。また、がん細胞の死滅や症状の緩和などを目的として、外科手術や化学療法と併行して「放射線療法」も実施されることもあります。 

 

 


■予後 

 がんの予後については5年生存率という数字で表されることが多く、子宮頸がんにおいてはI期であれば約97%、II期で約85%、III期で約71%、IV期で約33%になります。 

 

 どのがん・どの病気でも共通して言えることではありますが、早期発見・早期治療あるいはそもそも病気にかからないように予防することが大切です。