肝硬変

■肝硬変とは 

 肝硬変肝臓に炎症が発生することで細胞がダメージを負って細胞の破壊と修復が繰り返し行われた結果、肝臓全体が線維化という変化により固くなり機能が低下している状態を指します。

 

 また、肝硬変が進行すると肝臓は元の状態に戻りません。

 

 日本における肝硬変の患者数は40万人程度と推計され、死亡者数は年間1.5~2万人ほどです。

 

 肝硬変は肝臓がんなどにつながる場合もありますので、症状の変化を常に意識していくことが大切です。 

 

 


■原因 

<肝炎ウイルスがおよそ8割を占める> 

 肝硬変における最大の原因はB型肝炎とC型肝炎に代表される肝炎ウイルスで、C型肝炎ウイルスによるものが65%、B型肝炎ウイルスによるものが15%程度で、両者を合わせるとおよそ8割を占めます。

 

 長期的に肝炎ウイルスに罹患し、慢性的な炎症が引き起こされた結果、肝硬変に至るのです。 

 

 また、残りの10%程度はアルコールによるものとされ、その他、薬物による肝障害や自己免疫疾患などが挙げられます。

 

 なかでも、近年はNASH(非アルコール性脂肪肝炎)というウイルスでもアルコールでもなく、いわゆる生活習慣病を背景とした肝炎が原因となるケースが注目されています。 

 

 


■症状 

<自覚症状は出ないことが多い> 

 肝臓はすい臓と並び「沈黙の臓器」と呼ばれる臓器で、たとえ肝硬変になっても症状が出にくい点が特徴です。

 

 進行すると食欲低下(それに伴い体重減少)や倦怠感、黄疸、腹水の貯留や浮腫などが見られるようになります。 

 

 


■予防 

<肝炎ウイルス検査とアルコール摂取を控えることが大切> 

 肝硬変における原因の大半は血液や体液を介して感染する B型肝炎とC型肝炎になるため、これらのウイルスに罹患していないかを確認し、もしウイルス性肝炎と診断されたら、それぞれの治療を受けることが大切になります。 

 

 また、原因の15%ほどは飲酒であるため、飲酒量を抑える、休肝日を設けるなど、アルコールを過剰に摂取しないように心掛けましょう。 

 

 


■検査・治療 

 検査においては、血液検査、超音波(エコー)検査やCT検査といった画像検査のほか、肝生検と呼ばれる肝臓の組織を採取する検査が行われることもあります 

 

 治療においては、低下した機能を元に戻すことは出来ないため、これ以上肝硬変を進行させないように、肝硬変の原因となっている病気の治療や症状を改善させる治療が選択されます。

 

 肝硬変をきたしている原因がウイルス性肝炎であればその治療を行い、アルコール性肝炎やNASHが原因であれば生活習慣の改善が行われます

 

 また、場合によっては肝移植が行われることもあります。 

 

 なお、肝硬変は肝臓がんや食道静脈瘤に代表される合併症を引き起こす場合がありますので、合併症の有無のチェックやコントロールも非常に重要です 

 

 


■予後 

 肝硬変5年生存率は肝臓がんの合併がなければ80%というデータがありますが、その一方で非対称性肝硬変と呼ばれる進行期であれば5年生存率が40%程度と言われています。

 

 進行度や合併症の有無で予後は大きく変わってきます。 

 

 現在の肝硬変の主たる原因であるC型肝炎ウイルスは1989年に発見されたため、それ以前の輸血などでC型肝炎にかかった方がほとんどだと言われております。

 

 今後はNASHなどの生活習慣病を背景とした肝硬変が増えると言われておりますので、日々の生活習慣を見直すことも大事だと言えるでしょう。