脂質異常症

■脂質異常症とは 

 脂質異常症かつて高脂血症と呼ばれていた病気で、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎるあるいは少なすぎるという異常な状態になる病気です。

 

 LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高いあるいはHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が低い状態が続くと、動脈硬化進行リスクがあります。 

 

 脂質異常症による症状が出るというわけではありませんが、先に挙げた動脈硬化が進行することで心疾患や脳血管疾患といった死亡リスクの高い病気を引き起こす危険性があるので要注意です。

 

 国内における総患者数は約220万人で、男性は約64万人、女性は約156万人(いずれも2017年)と、女性の方が男性よりも2.4倍も多い結果となっています。 

 

 


■原因 

<欧米化した食生活と運動不足といった不規則な生活習慣> 

 食生活が欧米化し、動物性脂肪の摂取量が増えたことや慢性的な運動不足などが原因といわれています

 

 例えば、脂肪分の多い赤肉や卵、乳脂肪分の多いチーズやバターなどから飽和脂肪酸やコレステロールを過剰に摂取している場合に血中のLDLコレステロール値や中性脂肪が上昇し、脂質異常症に罹患するリスクが上昇します。 

 

 


■症状 

<基本的に症状は出ないが、その他病気につながる恐れも> 

 基本的に脂質異常症が原因となって症状が出ることはほとんどありませんが、皮膚に黄色い腫れ(眼瞼黄色腫など)コレステロール性の胆石が生じる場合があります。

 

 脂質異常症が続くと動脈硬化を加速させるリスクとなりますが、動脈硬化は心疾患(心筋梗塞や狭心症など)や脳血管疾患(脳梗塞など)といった重大な病気につながるリスクがあり、罹患した際には、それぞれの病気に応じた症状が現れることになります。 

 

 また、家族に脂質異常症に罹患している人などの遺伝的な要素も関連していると考えられています。 

 

 


■予防 

<食生活の改善と定期的な運動> 

 脂質異常症は暴飲暴食を避けたバランスの良い食事を意識することや定期的な運動を実施し、生活習慣を改善することが重要です。

 

 例えば、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には、「脂質異常症の重症化予防を目的にコレステロールは1日あたり200mg未満に留めることが望ましい」という趣旨の記述が追加されていますので、コレステロールを控える食事を心がけましょう。 

 

 また、先述の通り、脂質異常症の症状は現れにくいため、定期的に検診を受け、コレステロール値に異常がないかを確認しておくことが重要です。 

 

 


■検査・治療 

 検査においては、LDLコレステロールとHDLコレステロール、中性脂肪の値を計測するために血液検査が実施されます。

 

 また、脂質異常症は生活習慣病の1つですので、その他の生活習慣病にかかっていないかもチェックし、れらの疾患が疑われる場合はその病気に応じた検査が行われています。 

 

 治療においては食生活や運動といった生活習慣の改善が第一です(運動療法・食事療法)

 

 年齢や性別、生活習慣などを参考にしながら目標を決めていきます。

 

 運動療法や食事療法のみでは改善しない場合には内服薬を用いた治療が行われます。

 

 コレステロール値を下げるスタチンという薬剤や中性脂肪値を下げるフィブラート系の薬剤が使用されています。 

 

 


■まとめ 

 脂質異常症は生活習慣病の一つにあげられ、自身の生活習慣を見直すことが予防・治療とも非常に大切です。

 

 特にバランスを意識した食事や運動を実施ながら、定期的に検診を受診し、コレステロール値や中性脂肪値を把握しておきましょう。

 

 先に述べたように、脂質異常症を放置すると動脈硬化につながり心疾患や脳血管疾患などの大きな病気につながっていきます。

 

 健診などで異常を指摘された場合は放置せず、少しでも気になる点があれば、医療機関で医師に確認することも大切です。