胃がん

■胃がんとは

<日本を含む東アジアで死亡数の多いがん>

胃がんは胃壁の粘膜に形成された悪性腫瘍を指します。世界の中でも特に東アジアで胃がんの発症例が多く、日本では1年間でおよそ13.5万人が罹患し、年間の死亡者数は43,000人です。

 

2018年度の最新がん統計によると、日本における胃がんによる死亡数順は男性が2位、女性が4位となっており、全体においても肺がん、大腸がんに次ぐ3位になります。

 

罹患者数(2017年)の総数においても、大腸がんに次ぐ2位(男女計)となっているため、胃がんは非常に身近な病気です

 

 


■原因

<日本においてはピロリ菌の影響が大きい>

日本人の胃がんにおいて、その98%はピロリ菌の感染が原因といわれています。冒頭で東アジアに発症例が多いと触れましたが、これは東アジアのピロリ菌がその他地域のものと比較しても発がん性が高いといわれているからです。

 

ピロリ菌の感染者は全人類の半分にも上りますが、日本でも国民の半数がピロリ菌に感染しているといわれています。

 

しかし、世代別で見ると、年齢が上昇するにつれピロリ菌の感染率は高くなる傾向が見られ、60代では80%前後にまで上りますが、一方で若い世代の感染率は低くなっており、10代は10%前後です。

 

また、ピロリ菌に感染した人の3~5%程度が10年後以降に胃がんになるというデータもあります。

 

ピロリ菌とは別に、喫煙や過度の塩分摂取といった生活習慣も胃がんの原因として関わっています

 

 


■症状

<進行すると貧血や黒色便が>

早期の段階では自覚症状が出にくいといわれていますが、進行すると、胃痛や不快感、胸やけ、食欲低下(それに伴い体重減少)、貧血や黒色便が出るようになります。

さらに癌が進むとと、倦怠感や嘔吐、食欲不振、、体重減少などの症状が現れます。

 

 


■予防

<ピロリ菌の除菌と生活習慣の改善>

ピロリ菌の感染者はそれを除去することが一番の予防法ですう。ピロリ菌に感染していない場合でも、定期的な検診を実施し、胃に異常がないかを確かめることが有効です。

 

また、日常生活においては、塩分を控え栄養バランスを意識した食事の摂取や過度の飲酒を控える、禁煙や定期的な運動を心掛けるようにしましょう。

 

 


■検査・治療

<早期であれば、胃カメラによる手術で済む場合も>

胃がんの原因となるピロリ菌の有無を確認する手法には、吐く息を測定しピロリ菌の感染を確認する「尿素呼気検査法」、近年では短時間で気軽に出来る「ABC分類検査」と呼ばれる血液検査などがあります。

 

また、胃がん自体の有無を調べる際には、レントゲンを撮影する胃X線検査と胃内視鏡検査が主流です。

 

胃がんの治療法については、進行度によって変わってきます。がんが胃の粘膜で留まっている早期の段階であれば胃カメラの内視鏡手術で治療が完了する場合があります。

 

その他に、別臓器に転移していない場合であれば外科手術になりますが、がんが別臓器に転移した進行した状態であれば、抗がん剤治療に代表される化学療法が実施されます。

 

 


■予後

がんの予後については5年生存率という数字で表されることが多いです。胃がんにおいてはI期であれば約95%、II期で約67%、III期で約45%、IV期で10%を下回るといわれています。

 

どのがん・どの病気でも共通して言えることではありますが、早期発見・早期治療あるいはそもそも病気にかからないように予防することが大切です。まずは禁煙・がん検診の受診など、できるところから始めていきましょう。