心不全

■心不全とは 

 心不全心臓が全身に血液を送り出すポンプとしての役割が正常に機能せず、全身の血液循環が滞ってしまう状態のことです。

 

 心不全は二種類に分類され、急に機能が低下したものを「急性心不全」、徐々に機能が低下したものを「慢性心不全」と呼びます。

 

 心不全による死亡者数は8万人(2017年)を超え、心疾患に該当する病気の中では最多です。 

 

 心不全も含めた疾患」というくくりで見るとがん脳血管疾患と並び日本の三大死因の一つに数えられます。 

 

 


■原因 

<心臓にかかわる様々病気が要因に> 

 狭心症・心筋梗塞をはじめとした虚血性心疾患や心筋症といった心臓にかかわる病気を発症することで、心不全の状態に陥るリスクが上昇するといわれています。

 

 それは先述の病気により、心臓のポンプ機能にも大きな負担が生じてしまうためです。 

 

 また、高血圧や不整脈などが原因となる場合もあります。特に高血圧においては、慢性的に高血圧の状態が続くと、心臓に多大な負担がかかってしまい、心臓の機能低下につながってしまう理由もあります。

 

 


■症状 

<胸の痛みや呼吸困難が代表例> 

 心臓のポンプ機能が低下するため、体中に必要な酸素や栄養が届けられなくなったり、腎臓に流れ込む血液が減り、尿量が減少したりします。 

 

 そのため、息切れや呼吸が苦しくなったりするといった症状や、疲労感・倦怠感、動悸が出現します。

 

 尿量が減少した分、あまった水分が体内に貯留するようになり、むくみ(特に足の甲など)や体重増加などの症状が現れます。

 

 また心不全を起こす原因によっては激しい胸の痛みを感じることもあります。

       

 


■予防 

<規則正しい生活習慣を> 

 心臓にかかわる病気や高血圧、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病が罹患リスクを上げるため、野菜を食べ、塩分を控えるといったバランスの良い食事や定期的な運動、禁煙を心掛けることが大切です。

 

 突然症状が現れることもあるため、定期的に健診や心臓ドックを受診しましょう 

 

 


■検査・治療 

 はじめに息切れや動悸がないかといった症状の問診などが行われます。

 

 その後、より詳細な情報を得るために、心電図検査や胸部レントゲンや心臓超音波(エコー)検査といった検査などが実施されます。 

 

 治療法は心不全の原因などによって変わってきますが、基本的に薬物療法が主体となります。

 

 血液が流れやすくなるように血管を広げる血管拡張薬や血圧を下げる薬などが使用されます。

 

 心臓のポンプ機能が著しく低下している場合は、体内にペースメーカーを植え込む処置、重篤な場合ドナーの提供による心臓移植などが行われることがあります。 

 

 


■予後 

 安静時でも心不全の症状が起きる(NIHA分類IV度)ほどまで心不全が進行している場合、2年以内に50%の方がなくなると言われております。

 

 また、心不全で入院した患者さんの約20~40%は1年以内に再発するというデータもあります。

 

 心疾患において、この「心不全」が最多の死亡者数が示している通り、発症後の予後は決して良いものとは言えません 

 

 そのため、日常生活を見直し生活習慣を改善したり、定期的に健診や心臓ドックを受けたりするなどすることが大切です。