白血病
■白血病とは
<血液のがんの代表格、若い世代でも罹患するがん>
白血病は血液細胞が骨髄で作られる際に発生するもので、血液がんの一種です。
がん化した細胞や症状の進行パターンによって、「急性リンパ性白血病」、「急性骨髄性白血病」、「慢性リンパ性白血病」、「慢性骨髄性白血病」などに分類されます。
女性よりも男性の方が白血病の罹患率は高く、死亡者数は年間約8,000人に上りますが、その内訳は男性約5,000人、女性3,000人(いずれも2010年)です。
比較的若い世代の人でも罹患する事例がしばしば見られるのも特徴です。
各病気によって症状は変わってきますが、本ページでは白血病の概要をご紹介します。
■原因
<遺伝子の異常がかかわる場合も>
白血病のパターン(上記の4つ)のうちのどれかにもよりますが、慢性骨髄性白血病のように染色体の9番と22番が入れ替わったフィラデルフィア染色体と呼ばれる遺伝子の異常が関わっていることが明らかになっている場合もある一方、原因がはっきりしないものもあります。
■症状
<病気への抵抗力が低下・止血しにくくなる>
人間の血液の多くは骨髄で作られていますが、骨髄内で白血病細胞が異常に増殖することで正常な造血細胞が作られる数が低下します。
そのため、正常な白血球・赤血球・血小板などが減少し、様々な症状が出現します。
具体的には、白血球が減少することで病気への抵抗力が低下し病気にかかりやすくなったり(易感染性)、赤血球の減少で貧血症状が出現したり(立ちくらみ、動悸・息切れなど)、血小板の減少で止血しにくくなったりします(出血傾向)。
それ以外にはその他がんと同様に食欲不振や全身の倦怠感、頭痛、嘔吐、身体の痛みが発生します。
■予防
<原因不明だからこそ普段の生活習慣からキッチリと>
先述の通り、白血病の罹患リスクが上昇する要因が明確に解明されていないので、現時点では明確な予防法というものは確立されていません。
血液検査でさまざまな異常値が出ることで発見されることが多いため、定期的な血液検査が早期発見につながることがあります。
なお、成人T細胞白血病に関しては、感染源となるウイルスが特定されていますが、風土病の側面が大きく、地域で妊婦検診や授乳制限を実施し対策する事例が見られます。
■検査・治療
白血病ではまず血液細胞の数や異常の有無を確認するために血液検査が行われています。
つづいて、骨髄から細胞組織を採取し、遺伝子と染色体の状態を確認する骨髄検査へ移行します。また、必要に応じてX線(レントゲン)検査やCT検査で合併症などがないかを確認することもあります。
白血病の治療法は抗がん剤を用いた「化学療法」が中心です。
抗がん剤や特定の細胞を狙い撃ちする「分子標的治療薬」などが存在し、罹患した白血病の種類や症状、合併症の有無、罹患者の意向などを考慮し、使用する薬物や組み合わせを決定していくことになります。
また、「造血幹細胞移植」といった治療を行っていくこともあります。
■予後
罹患した白血病の種類や年齢によって大きく変わってきます。
例えば、急性リンパ性白血病の場合、子どもは80%以上の生存率ですが、成人は10%にも満たないというデータもあります。