心筋梗塞

■心筋梗塞とは 

 心筋梗塞心筋(心臓の筋肉)に酸素を送る血管が固くなる(動脈硬化)がきっかけで、血管が詰まることで酸素が心筋に十分に送られず心臓の細胞が壊死する病気です。

 

 致死性の高い病気で、急性心筋梗塞に限ると、年間10万人近くの方が発症し、そのうちの30%程度の方が亡くなると言われています。 

 

 心筋梗塞による日本の年間死亡者数はおよそ35,000人(2017年)で、当該病気を含めた疾患の死亡者数はおよそ20万人(2017年)にも上り、日本人の死因としては悪性新生物(がん)に次いで多い数字です。

 

 心疾患はがんと脳血管疾患と並び三大死因の一つです。 

 

 


■原因 

<動脈硬化が大きな原因> 

 心筋梗塞原因の大部分は動脈硬化によるものです。

 

 動脈硬化は不適切な生活習慣で発生し、血管が固くなることで血流が悪くなった状態を指します。

 

 これによって、血栓が形成されやすくなり、血管が詰まりやすくなるということです。 

 

 この不適切な生活習慣というのは、喫煙や、塩分の摂りすぎ、カロリーの摂り過ぎ、運動不足などが挙げられ、これらの生活習慣が続くと、結果的に高血圧や肥満、糖尿病といった病気につながってしまいます。

 

 動脈硬化は心疾患以外にも、脳出血や脳梗塞といった脳血管疾患を引き起こすリスクも上昇させるため、要注意です。 

 

 


■症状 

<激しい胸の痛みが特徴> 

 最大の特徴は「胸が苦しい」「圧迫感がある」「胸がえぐられている」といった感覚の激しい胸の痛みが挙げられます。

 

 これは心筋に十分に酸素が供給されず、心臓の細胞が壊死することで生じるものですが、激しい胸の痛みは30分以上も持続する点特徴の一つです。

 

 同じく虚血性心疾患である狭心症が、言わば冠動脈が詰まりかけであるため、症状も数分程度で収まることが多いのに対し、心筋梗塞は完全に血流が途絶えてしまっているため、症状も激しく、危険度も高いと言えます。 

 

 それ以外には胸の痛みに伴って、背中や首などが痛むこと(放散痛)や呼吸困難、吐き気・嘔吐などが生じ、最悪の場合はそのまま死に至る危険性もあります。 

 

 


■予防 

<動脈硬化を防ぐための生活習慣を> 

 罹患原因の大半を占める動脈硬化を防ぐことが、心筋梗塞を予防するうえで最も重要になります。

 

 動脈硬化は高血圧や高脂血症、糖尿病などといった病気と大きく関係しているため、野菜や果物を摂る、塩分・糖質を控える、暴飲暴食しないといった健康的な食事を心掛けることが大切です。

 

 また、肥満も動脈硬化のリスクですので、食事に気を配るだけでなく定期的な運動を実施、太りにくい体づくりを心がけましょう。 

 

 喫煙者の場合は、禁煙も非常に効果的です。

 

 心筋梗塞の発症リスクは非喫煙者よりも喫煙者の方が高く、男性はおよそ4倍、女性はおよそ3倍になるといわれています。

 

 しかし、禁煙することでそのリスクは下がることが分かっており、禁煙期間が2年以上になると、冠動脈性心疾患のリスク半減します 

 

 


■検査・治療 

 検査はまず心電図検査、心筋梗塞特有変化が見られるかを確認します。また、血液検査では心筋梗塞発生時に見られる物質が分泌されていないかを確認し、心筋梗塞か否かを判断しています。 

 

 治療法において、心筋梗塞は発症後6時間以内が生死を分けるラインといわれています。

 

 カテーテル治療と呼ばれる血管内治療は手首や足の付け根の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を通して、閉塞を起こしている冠動脈をバルーン(風船)やステント(金属製の網目状のトンネル)で広げて、血流を回復させます。また、閉塞を起こしている場所によってはカテーテル治療(血管内治療)だけでは治療できない場合もあるため、そのような場合には全身麻酔で冠動脈バイパス術と呼ばれる外科的手術が行われます 

 

 また、心臓の一部に機能障害が生じ、後遺症が残る場合があります。その際はリハビリテーションを実施し、日常生活への復帰を目指していきます。 

 

 


■予後 

 心筋梗塞は発症直後に死亡する事例も多く、一度発症すると後遺症が残ってしまう可能性もある病気です。

 

 日ごろからバランスの良い食事や定期的な運動といった規則正しい生活を心掛けることで、動脈硬化を予防することが一番重要といえるでしょう。