卵巣がん

■卵巣がんとは 

<日本において最も死亡者数が多いがん> 

 卵巣がんは卵巣に発生する女性特有のがんです。

 

 発生する場所によって種類が分けられ、卵巣を覆っている組織に形成された上皮性、卵子に成長する前の細胞に発生した胚細胞性、ホルモンを作り出す間質細胞などで形成された性索間質性といった分類があり、上皮性のがんが卵巣がんの90%を占めると言われています 

 

 

 日本においては、年間8,000~10,000人ほどが罹患しており、4,500人ほどが死亡しています。 

 

 


■原因 

<女性特有の要因と生活習慣> 

 排卵の回数が多いと卵巣がんになりやすいとされ、妊娠や出産経験が少な、初経が早い、閉経が遅い、などの場合リスクが高まります。また子宮内膜症の罹患経験があることもリスクを高めると言われております。 

 

 また、卵巣がん患者さんの約10‐15%は、BRCA1遺伝子あるいはBRCA2遺伝子変異を持つと言われており女性の発症率は最大で40%(70歳時点)にも上るといわれています。

 

 これらの遺伝子変異があると卵巣癌だけでなく乳がんになるリスクも非常に高いことがわかっており、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と呼ばれています。 

 

 


■症状 

<症状が出る頃にはかなり進行している可能性が高い> 

 骨盤内にある臓器であ早期の段階では自覚症状が出にくいといわれています

 

 進行すると腹部の張りや腹痛、頻尿、息切れ、食欲の低下がみられますが、症状が現れる頃にはがんが進行している場合が多いです。 

 

 


■予防 

<ピルの服用と定期的に検診を> 

 ピルを服用することで卵巣がんの発生率が低下することが分かっており、5年の内服で3割、10年で4割、15年で5割ほど卵巣がんになる可能性を抑えられると言われています。

 

 また、定期的に検診を受けることで早期発見を目指すことも予防策の一つになりますが、家族で卵巣がんの罹患歴がある人がいる場合は積極的な受診をオススメします。 

 

 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断された場合閉経後に予防的に卵巣を摘出する選択肢もあり、卵巣がんの発症リスクは90%近く低下させることが出来ます

 

 この、卵巣の予防切除は令和2年4月から保険が適用されるようになりました。 

 

 


■検査・治療 

 内診や直腸診指を入れて卵巣や腸の状態を直接触って調べます。 

 

 また、がんの大きさや位置、個数などを正確に把握するためにCT検査やMRI検査、超音波検査といった画像検査も実施されています。 

 

 それ以外には、血液検査でがんが発する物質(腫瘍マーカー)がどれくらい分泌されているかを調べ、がんの可能性や転移・再発リスク判定などにも利用されています。 

 

 治療においては、卵巣やがん転移先の臓器を取り除く「外科手術」や手術後にがんの再発や転移を抑える目的で抗がん剤をはじめとした「化学療法」、骨や脳など別部位に転移している場合には「放射線療法」が用いられる場合もあります。 

 

 


■予後 

 がんの予後については5年生存率という数字で表されることが多いです。

 

 卵巣がんにおいてはI期であれば約90%、II期で約67%、III期で約44%、IV期で27%ほどになります。 

 

 どのがん・どの病気でも共通して言えることではありますが、早期発見・早期治療あるいはそもそも病気にかからないように予防することが大切です。