前立腺がん

■前立腺がんとは

<罹患者数が急激に増加しているがん>

前立腺がんは前立腺と呼ばれる膀胱の真下に位置する男性にしか存在しない臓器に発生する、男性特有のがんです。

 

日本においては罹患者数が急激に増加しており、1995年には1.8万人だった罹患者数2015年には9万人と、20年間でおよそ5倍に増加しています。

 

日本においては、1年間で約9万人が罹患しており、年間1.2万人が亡くなっていますが、今後も罹患者数増加が予想されており、2025年には全がんの中で罹患者数1位になるとの予測もあります。

 

 


■原因

<主に食生活や遺伝、加齢が原因になりやすい>

まずは食生活の欧米化が挙げられます。

 

日本において、前立腺がんが急増した要因には欧米の影響を受けた食生活が浸透したことが挙げられ、その証拠にアメリカのがん部位別死亡者数は肺がんに次いで2位という点に注目です。

 

また、家族で前立腺がんに罹患したことがある人がいる場合、自身の罹患リスクは2倍、さらには家族内に2人以上罹患経験者がいる場合、その確率は5倍にまで急上昇するといわれています。

 

さいごに、前立腺がんは加齢とともに発見されやすくなっていき、50代以降、特に65歳あたりから発見数は顕著に増加している点に要注意です。

 

 


■症状

<早期の段階で自覚症状がほとんどなく、進行も緩やかなスピード>

早期の段階では自覚症状が出にくいですが、がんが進行すると、排尿が困難になったり、排尿時に痛みを感じたり、場合によっては血尿が出たりします。

 

前立腺がんは他のがんと比較すると、発症から成長まで10~20年と緩やかなスピードで進行しますが、他の臓器や骨に転移しやすいといわれています。

 

 


■予防

<家族歴のある場合は早めのPSA検査を>

先ほどお伝えしたように、家族が前立腺がんにかかっている方はリスクが高いと言われています。

 

また、加齢とともに罹患リスクが上昇しますので、家族内で前立腺がんに罹患経験がある人がいる場合には40代から毎年1回の検診を受けるようにしましょう。

 

それ以外の方でも50歳頃から検診を受けることをオススメします。

 

 


■検査・治療

<進行度や状況によって様々な検査>

進行度や状況に応じて、PSA検査、直腸診、前立腺生検、画像検査などに分類されます。

 

PSA検査は血液検査の一種で、前立腺中にあるPSAと呼ばれる物質を数値測定し、前立腺がんかどうかを確認するもので、比較的気軽に行うことが出来ます。

 

直腸診は肛門に医師が直接指を挿入し、前立腺の状態を確認するものです。

 

前立腺がんの罹患が疑わしい場合、前立腺から組織を採取する前立腺生検が行われ、より詳細な検査が実施されます。

 

画像検査においては、がんの大きさや個数、位置などを特定するために、CT検査やMRI検査が実施され、さらには骨へがんが転移していないかを調べる際には骨シンチグラフィー検査が行われます。

 

 

<治療は進行度によって決定>

ガンのステージや全身の状態などを考慮して、治療方針を決定します。

 

「外科手術」では前立腺と精のう、場合によってリンパ節を取り除きますが、近年は臓器の細かい部分までアプローチ出来る「ロボット手術」も取り入れられています。

 

他には抗がん剤治療やホルモン療法と呼ばれる「薬物療法」や「放射線療法」も行われることが多くなっています。

 

また、尿道から膀胱鏡と呼ばれる器具を挿入して行う、経尿道的治療が行われることもあります。

 

 


■予後

がんの予後については5年生存率という数字で表されることが多いです。

 

前立腺がんにおいてはI期~Ⅲ期で100%、IV期で60%ほどとなっており、他のがんと比べて高い数値となっています。

 

どのがん・どの病気でも共通して言えることではありますが、早期発見・早期治療あるいはそもそも病気にかからないように予防することが大切です。

 

まずは毎年手軽に出来るPSA検査を受診し、前立腺に異常がないかを検査すると良いでしょう。