放射線療法

■放射線療法とは 

 「放射線療法」は人工的に作り出した放射線を利用し、がん細胞の死滅や縮小、症状の緩和を目指す治療法です。

 

 放射線療法の多くは外来通院で実施でき、入院の必要性がないことや手術のようにがん細胞や臓器などを取り除く必要がないため、身体への負担が少ない点が大きな特徴になります。

 

 がん治療における放射線療法は「外科手術」と「化学療法」と並び、3大治療の一つです。 

 

 


■放射線治療実施までの流れ 

 はじめに放射線科の医師による診察や説明を受け、これまでの治療の経過や患者さんの状態などを考慮したうえで治療方針が決められます。

 

 その後、主にCT検査などで放射線を照射する部位を確定、照射位置に印をつけます。そして、照射方向や量、回数などを検討し詳細な治療計画を決定します。

 

 放射線治療時には放射線治療室で実施しますが、最初の照射は治療計画の確認が含まれるため時間がかかります。2回目以降は10分ほどで終了します 

 

 


■外部照射と内部照射 

 放射線の治療方法は大きく分けて「外部照射」と「内部照射」の2種類に分類されます。 

 

 外部照射は放射線を体外から皮膚を通す形で照射するのに対し、内部照射は密封小線源と呼ばれる物質を体内のがん細胞付近に挿入し、放射線を照射するというものです。

 

 内部照射はがんの存在する部位の付近から集中的に照射できるため、正常部分へのダメージが少ないというメリットがある一方、前立腺がん・舌がん・子宮頸がんなど限られた種類の癌にしか適応がなく、すべての癌で選択できるわけではありません。 

 

 放射線治療において多く使用されるものは外部照射ですが、患者さんの状態に合わせて、双方を組み合わせた治療を行う場合もあります。 

 

 


■その他治療と組み合わせ 

 放射線療法のみでがんの治療を進めていくこともありますが、「外科手術」や「化学療法」と組み合わせることで、治療の最適化を図る事例も多く見られます。 

 

 例えば、手術前にがん細胞の縮小を目的に放射線治療を実施する場合や、抗がん剤を投与し放射線の治療効果を上げる手法などが取り入れられています。

 

 このように、複数の治療法を組み合わせていくことを「集学的治療」と呼びます。 

 

 


■放射線療法のリスク 

 放射線療法には副作用というリスクがあり、治療直後に現れるもの(急性期)と治療から半年以上経過して現れるもの(晩期)の2種類に分類されます。 

 

 放射線の照射部位にもよりますが、急性期は貧血や倦怠感、食欲不振、発熱などの全身症状や、照射する部位の皮膚炎が生じます。

 

 また、照射する部位が頭なら脱毛、口腔内~頭頸部~食道などであれば口内炎や胸やけ、腸であれば下痢など、照射する部位によって異なる症状が出現することもあります。

 

 晩期の副作用としては二次がんの発生、出産などへの影響が見られます。

 

 しかし、通常はこれらの障害が出ないようにコントロールされた量で治療をすすめていくため、晩期症状現れる可能性は低いと言われております。