くも膜下出血

■くも膜下出血とは 

 くも膜下出血脳の血管に異常が発生する「脳卒中」に含まれる病気の一種で、くも膜下腔という箇所に出血が生じる病気です。

 

 脳は軟膜・くも膜・硬膜と呼ばれる3つの膜で覆われており、そのうちのくも膜と軟膜の間の部分をくも膜下腔と呼びます。 

 

 くも膜下出血は年間2万人程度の方が発症し、死亡者数は年間12,000人(2017年ほどです。

 

 当該病気を含めた脳血管疾患」というくくりで見ると、がんと心疾患と並び三大死因の一つに数えられます。 

 

 


■原因 

<脳動脈瘤の破裂が大きな原因> 

 くも膜下出血原因の約80%脳動脈瘤破裂と言われております

 

 脳動脈瘤とは、動脈に形成されるコブのようなもので、主に脳の血管の分かれ道となる箇所に形成されます。

 

 大きさは1㎝未満が75%以上を占めているものの、場合によっては数cmにまで成長するものもあるようです。

 

 このコブは風船のように血管の壁が薄く引き伸ばされているので、これが何らかの原因で破裂することでくも膜下出血が発生します。 

 

 脳動脈瘤が形成される原因は明らかにされていませんが、喫煙や過度の飲酒、ストレスといった生活習慣が関係しているのではないかといわれています。

 

 また、脳動静脈奇形や転倒や事故などによる外傷など、くも膜下出血の原因となります。 

 

 


■症状 

<経験したことがないほどの激しい頭痛が特徴> 

 くも膜下出血最大の特徴は、脳動脈瘤が破裂することで、今までに経験したことがないであろう激しい頭痛に襲われるという点です。

 

 これは突然発生するため、発生直後に意識がもうろうとし、そのまま死亡する場合もあります。 

 

 それ以外には吐き気・嘔吐・けいれんなどが起こることもあります。 

 

 


■予防 

<脳ドックの定期的な受診を> 

 くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤が形成される背景が明らかにされていないため、定期的に脳ドックを受診し、脳の血管に異常がないかを確認することが一番の予防策になるでしょう。

 

 もし脳動脈瘤などの異常が見つかった場合には下記のような治療を行うことも選択肢です。 

 また、くも膜下出血だけに限った話ではありませんが、バランスの良い食事、適度な運動、暴飲暴食を控える、ストレスを抱えないといったように、生活習慣を見直すことも効果があると考えられています。 

 

 


■検査・治療 

 検査は頭部CT検査や頭部MRIといった画像検査を用い、くも膜下出血の有無や状態などを調べます

 

 画像検査で状態が把握出来ない場合、背中に針を刺し、髄液に血液が混合していないかを調べる腰椎穿刺(ようついせんし)と呼ばれる髄液検査の一種が行われる場合もあります。 

 

 治療法根治のためには「外科手術」が必要です。

 

 破裂した脳動脈瘤を放置すると症状が悪化することから、再度破裂及び出血しないような処置が施されますが、これには二種類の方法が存在します。 

 

 まず一つ目は「脳動脈瘤クリッピング術」と呼ばれる治療法で、脳動脈瘤をクリップで挟み、これ以上血液が流入しないようにする手術です。 

 

 二つ目は「コイル塞栓術」と呼ばれる治療法で、太ももの付け根にある血管からカテーテルと呼ばれる細い管を入れコイルを通し、血管のコブを血管内から詰める手術です。 

 

 その他にも、降圧薬や頭蓋内圧を下げるような薬を用いた治療法が行われることもあります。 

 

 


■予後 

 くも膜下出血が生じた時点でおよそ50%の患者は死亡もしくはこん睡状態へ陥るという報告もあり、無事に一命をとりとめたとしても、20%の患者は後遺症が残るとされています。

 

 また、一度くも膜下出血を受けた方のうち70%以上の方が10年以内に再発するというデータもあります。 

 

 脳動脈瘤の形成要因が明らかにされていない中で、日々の生活習慣を見直すこととともに、気になる方は脳ドックを受け脳動脈瘤などの異常がないか確認するとを検討してみてはいかがでしょうか